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zoom RSS 立原道造「やぶけたローラ」と「ケペニック中尉」の話

<<   作成日時 : 2018/05/16 11:56   >>

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 ドイツでの割と知られた有名な話にこのようなものがある、ここにいかなる
教訓、あるいは本質を見出すかは人それぞれの自由であるが、ある本によれば
「ファッションは本質を隠す」、「芸術も哲学も政治もすべてファッションだ」という
意味合いをこじつけている日本の高名な方もおられる。実話だそうだ。

 ドイツ陸軍の上級士官のいでたちをした男が、すれ違い様に、ある陸軍の連隊
に向かって自分の指揮下に入れという命令を下した。自分は秘密の重大命令を
受けてこれから銀行に行く、その命令にお前たちも従えというのである。

 連帯の軍人たちはその中尉とともに銀行に向かった。中尉は銀行でも秘密の
命令遂行のためとして銀行と外部との連絡を閉ざした。銀行の金を移動させると
言ってまんまと大金を銀行から持ち出し、盗みに成功した。

 これが「「ケペニック中尉」の話である。緊急の機密の命令だという要素と、さら
に上官の命令が絶対という軍隊内の掟、軍の秘密事項は決して外部には漏らさな
いという図式をまんまと利用し尽くしたのである。見事なペテンであった。ニセモノは
中尉だけである。他は全て本物である。

 この実話は戯曲化されて「近代劇全集」独逸編の収録されている(第一書房)

 ここで、この戯曲の翻訳を作品に利用応用した小品をまだ詩人になる以前の
立てはら道造が書いている、と思われる。

 立原と思われる「タアト」という学生とその友人の「テジア」という学生が、「ローラ」
という映画の主人公のポスターを手に入れるという話である。

 二人はその求めるポスターの貼ってある店を見つけて交渉に及ぶが、店の人は
「先ほど学生さんが来てその方に譲ることになっている」と一足遅くてアウト。もう
絶望だ、だが友人のテジアには勝算があった。

 その翌日、テジアがそのポスターを持って帰った。譲ってくれと言った学生はまず
学生服であったはずだ、とすれば同じ学生服で店に行き、昨日のポスターを譲って
ほしいといった、それですぐ渡しkてくれるはずだったが思い通りだった、という。テジ
アの巧妙さにタアトは感嘆する。

 これが立原道造の「やぶれたローラ」にある話である。タアトは事実、立原の一時
期の愛称であったから、テジアも実在である。「松永茂雄」といい、初期の戦没学生
として知られている。まだ日中戦争の初期、大陸で戦死している。その人物像は、
理知的で聡明、立原の旧制高校時代に大きな影響を与えた人物である。

 で、・・・・・はたしてケペニック中尉の話が参考になっているのだろうか?絶対とも
言えないが、その可能性は十分高い。

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