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zoom RSS 仁科東子(にしなはるこ)さんとジンギスカン=源義経説

<<   作成日時 : 2018/03/09 22:11   >>

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以前、「仁科東子さんのかかれた小説「針の館」、これは精神病院に理不尽
に叩き込まれたことの体験がなせる精神病院告発の、或るい意味、見事な作品
である。カッパノベルズの古書しか現実に読む手段はないが、その緻密て真実味
に富む表現、構成はうならせるものがある。

 いうまでもなく仁科東子さんがその名を知られたの高木彬光氏の「成吉思汗の
秘密」に第16章として加えられたその内容からである。ジンギスカン=源義経説
は戦前から唱えられて専門家レベルで激しく攻撃され、論外とされてはいたが民衆
レベルではかなり浸透していた。

 ところで仁科東子さんの略歴を改めて述べると

 1927年、著名な病院長の一人娘として東京の本郷に生まれる。桜蔭高女を卒業
し、東京家政専門学校に進むが中退、日本画に傾倒し、日本美術院研究会員にも
なった。日本美術院春季展で三回入選。同時に父の影響もあり、自然科学にも造詣
が深い、

 1959年「成吉思汗という名の秘密」という小論を雑誌「宝石」に発表したのが最初
の原稿執筆。

 高木彬光氏の文章だが

 「仁科東子さんとはそれまで何のおつきあいもなかったが、あとで聞いたところに
よると精神病院に患者として数ヶ月、入院せねばならなかったという。その一つのき
かっけが成吉思汗の源義経説を信じて、その解明を期したためらしい。精神病院で
の苦闘の体験は『針の館』という作品に結実した。

 その間の苦吟の産物は『神津京介への手紙ー成吉思汗という名の秘密』という
題名で雑誌『宝石』に発表された。その内容を仁科東子さんの了承のもと、『成吉思
汗の秘密』に第16章として収録されている」

 「宝石」に発表した仁科東子の小論の正式名称は『神津恭介への手紙ー成吉思汗
の名の秘密』である。それは『成吉思汗の秘密』の最終章にほぼ転載される。第16章
の題名も『成吉思汗という名の秘密』である。

 それによると

 昭和34年7月8日のことだった。神津恭介は杉並区の公会堂で開かれた公開講座
に出席した。・・・・・・・・講演がおわって、講師の控室に戻ってきた時、一人の女が、
その前に近づいてきて、思い詰めたような声でいった。

 「神津先生、わたくしは仁科東子と申しますが・・・・」

 「どこかでお会いしたことはあったでしょうか?」

 「初めてでございます、でもまだ手紙は届いてはおりませんか」


 という具合で仁科東子さんは高木彬光(神津恭介)を面識もないのに訪問し、手紙
も差し出していた。

 仁科「その秘密がやっと解けたのです。口はばったい言分ではごじあますが、今まで
の学者たちがぜんぜん見逃していた盲点が一つあったのです。先生もあれだけ鋭い
追求をつづけておられながら、ここには気がおつきになりませんでしたか」

 「皮肉なことに、義経が成吉思汗になったかどうかを解く鍵は・・・・・あの題名を『成吉
思汗の秘密』と読み直せば、それですべてが解決するのでございます。八百年の秘密
は遂に解けたのです」

 ここから漢語を分析しての仁科東子の説明が始まる、・・・・・

 だが読んでいくうち、それが真実であるかどうかより、この成吉思汗=源義経説に憑
かれた女性の一途な執念を感じてしまう。もし、これを関心もなく知識もない人が聞けば
、半ば気が狂った、と思いかねないが、しかしその情熱は心打たれる。

 「針の館」発表は翌年、昭和35年である、その出版に高木彬光の協力があったことは
間違いない。カッパノベルズの「針の館」には仁科東子の住所は東京都千代田区駿河
台1−5となっている。

 「成吉思汗の秘密」第16章の最後は感動的でさえある

 聡明そうな感じこそあったが、決して美人といえる女ではなかった。その顔は現代的
というより、むしろ古風な容貌だった。
 ただこの時の微笑あずか一瞬にしぎなかったが、その顔を法悦のような表情に輝か
せた。
 
 その時、神津恭介は、自分たちの果てしない努力と研究をあわれんだ。静御前なり、
愛新覚羅慧生なりの魂が、僅かの間この女性に宿って、この八百年の秘密に最後の
断を下してくれたのではないか、・・・・・


 この第16章によって「成吉思汗の秘密」は完全なロマンになったと言って過言ではな
い。天城山心中で終わる第15章まででは何か不満が残るであろう。

 成吉思汗=源義経説、論議に最後に加わり、断を下した仁科東子さんによって、そ
の疑問が遥かロマンに昇華し得たということであろう。

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