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zoom RSS 「三四郎」(夏目漱石)三四郎、女性と同衾と落語「宮戸川」

<<   作成日時 : 2018/06/29 12:20   >>

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 夏目漱石の「三四郎」で有名なシーンはあの、・・・・三四郎が広田先生と汽車
の中で隣り合わせた前日、やはり汽車である女性と知り合ってそれが旅館での
同衾?となるという場面。この三四郎が女性と同宿、半分同衾というこの場面
、研究としては興津要『講座 夏目漱石』有斐閣、越智治雄『漱石と文明』砂子
屋書房が先行の論文がある。

 三四郎が九州から山陽線に乗り継いだが、その女性が京都から乗り合わせ
てきた。三四郎が食べた弁当を窓から投げ捨てたら、その弁当が停車中で外
にいたその助成の顔にあたって三四郎が「ごめんなさい」と謝った。

 女性は三四郎で「一人では気味が悪いから」ということで名古屋についたら
宿屋に案内してくれと頼んだ。いい加減な返事をしていた三四郎だが名古屋に
着いたら「うしろから女がついて来る」

  
画像


 かくして宿屋に二人で入り、同じ部屋に通された、布団も蚊帳いっぱいに一枚
だけ敷かれた。

 女性は「失礼ですが、私は癇症で他人の蒲団に寝るのが嫌だから・・・・・少し
蚤除の工夫を遣るから御免なさい」

 その晩は三四郎は手も足も境界と決めた西洋手拭の外には決してでず、女性
とは口もきかなかった。女性も壁を向いたままじっとして動きもしなかった。


  翌朝、宿を出たら、女は関西線で四日市の方に行くと言って、三四郎は別れ
際に「さようなら」と言った。

   「女はその顔を凝と眺めていたが、が、やがて落ち着いた調子で(あなたは
よっぽど度胸のない方ですね)といって、にやりと笑った」

 私の経験からしても、女性が何故か同じ部屋で寝ると言ったとき、それはまず
何らかの接触を期待している、ということは確かだと感じる。もし、何も男がやら
ないと、遠慮してだが、「あなたはよっぽど度胸のない方ですね」と思うのは自然
ではないだろうか。

 「三四郎」が朝日新聞に連載される18年前、1890年11月20日に出た『百花園』
三巻三十八号に三代目春風亭柳枝が口演し、酒井昇造が速記した「宮戸川」が
掲載されている(興津要の論文から)

 半「私はここに寝ます。眠くっていけませんから」

 花「貴郎はお休みなさいナ」

 半「お前は、どうなさいます」

 花「わたしは起きております」

 半「お前さん。そこらに勝手にお寝なさいな、物置の隅でも何でもよいと言ったん
だから、私はオジサンの家だから蒲団の上に寝ます。夫でもなんです・・・・」

 お互いに若い同志で、体裁が悪いから、始めのうちは背中合わせに寝ました。

 ここに登場の若い男女とは、質屋の茜屋半左衛門の倅の半七と船宿桜屋の娘
お花である。

 漱石は落語に関心と知識が深かった、漱石が「宮戸川」をベースにした証拠はあ
る。それは三四郎が宿帳に女性の名前を書く際に、架空の名前で「花」と書いてい
ることである。

 この宿帳に女性の名前を書くという似たシーンは『行人』で再現されている。その
二章「兄」後半で、妻の貞操を疑った長野一郎が弟二郎にそれを試みさせる場面
である。

 「あなたはよっぽど度胸のないかたですね」

 に対応して

 「いるんですか」

 「いるわ、貴方。人間ですもの。嘘だと思うのならここに来て手で障てごらんなさい

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