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zoom RSS 日本の優生思想と適者生存(自然選択)説の盲信(社会的ダーウィニズム)

<<   作成日時 : 2018/06/08 10:55   >>

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  日本人の自然淘汰説盲信にかって来日したタゴールは厳しく警鐘を鳴らした。
確かに日本人はダーウィンの進化論の「自然淘汰説」、自然淘汰説を徹底的に
盲信している、疑問を抱こうなら即座に非科学的人間、非国民のレッテルさえ貼ら
れかねない。実際、自然淘汰と突然変異で単細胞生物から人類にまで進化したな
ど、眉唾の極みだがこれが非科学の徒と罵倒される。

  『1916年5月29日、詩聖タゴールは神戸港に到着した。この恐ろしく深遠で静かなる
詩人を待っていたものは日本人の喧騒というべき、歓迎と好奇心の群衆、殺到する
新聞雑誌などの報道陣、神戸から東京に行ったタゴールは大隈重信首相らの歓迎
を受けたり、財界人との懇談、原三渓が宿舎を提供したりした。

 だがこのような日本人の表向きの大歓迎も、タゴールには単に欧米追従の日本人
の性格を表しているのではと愉快に思えなかった。

 日本人は今に至るもダーウィンの「適者生存(自然選択説)」を盲信している。これに
逆らうものは非国民という風情である。適者生存と突然変異こそが進化の全てであり、
これに賛同しないものは極悪の非科学の徒というわけである。これが、この適者生存
が奇妙なことに国家神道の選民思想、神国思想と結びついて愛国心に拍車をかけた
のは否めない。

 タゴールは慶応大学で講演(で以下のような発言を行った。

 「私は日本が西洋の科学から取り入れた『適者生存』という概念を盲信し、これが
ドグマ化し、現代の歴史の入り口に大きく掲げられていることにいやでも気付きます
。その意味内容は『さっさと自分の好きなことをやれ、それが他人にどんな損失、苦し
見を与えようと気にするな、尊いのは選ばれた自分たちなんだ』ということでしょう。
だがそれは真実に背を向けた愚かな人間の姿です。・・・・・・・ひたすら愛国心を高揚
、礼賛し、それが道徳的盲信となって、人を殴って結局殴り返される突然死に終わる
でしょう」』


 だが日本人の「自然淘汰説」盲信が容易に「劣ったものは滅びて当然」という「存
在に値しない生命」への短絡し、歪んだ優生思想に転化しやすいことは歴史を省み
ると明らかである。近代日本において「環境に適できないもの=劣った生存に値し
ない生命」という社会的認識に至っったことはまた明らかである。

 日本のファシズム、さらに戦後に続く優生思想、政策がナチズムに際めて親和性
が高いことは特筆に値する。「アーリア人種」の「人種的優秀性」、民族的優秀性と
いう「神話」は一貫したナチス結党以来の党による神話であった。遺伝的に優秀な
子孫を生み出すべく生殖としての性は大々的に推進され、北欧での少女狩りさえ
日常化した。ドイツ民族、ゲルマン民族の生物学的資質向上と良質の人口増殖の
推進のため優生政策『民族衛生政策)が行われた。

 他方でそのコインの裏と表の関係で「遺伝性疾患子孫防止法」(断種法)が制定さ
れた。「先天性精神薄弱者、人格分裂、躁うつ病、遺伝性癲癇、遺伝性舞踏病、遺
伝性の盲、その他重大な身体精神的奇形を有するもの」、「甚だしいアルコール中
毒患者」への強制断種を行うという法律である。

 ナチスはその「断種法」にもと、対象をさらに拡大して特定民族、高齢者、病人
など広範な人間を「安楽死」のなのもと「生命の殺戮」を開始した。T4計画である。
ついにはユダヤ民族、ロマ民族の殲滅にまで及んだ。

 さて、日本である、ゲルマン民族のような「外見の美しさ」は主張できない日本人
であるから、その主眼は「この世に適応し得ぬ劣った者」の抹殺に重点がおかれ
た。

 日本がこの世に適応できない者、自然淘汰学説で抹殺を正当化し得ると考えた
者をどう扱ったか、ナチスほど組織だっての大量殺戮はなかったが、アイヌ民族
、癩患者、精神疾患、身障者、病人などを排除差別したことは明らかである。

 この独逸と日本の戦前の優生政策の比較の研究として米本昌平が「日本の
優生政策はドイツのそれをよく勉強しつつも、・・・・・唯一の仕事らしい仕事は
国民優生法の制定くらいであった」はあまりに日本の優生政策を矮小化するもの
と批判されている。

 日本は植民地で「皇民化」を行い、他方でナチスの優生政策に共感するものは
多く、劣等民族との混血に反対する、日本人単一民族説への冒涜として「皇民化」
への批判が絶えなかったのも事実である。だが皇民化は妥協の産物であり、本質
は自民族内の「劣等分子」の差別排除こそ本質であっったとみなせる。

 野間伸次の「優生学と国家主義がスムーズに結合したナチスと違って、日本で
は天皇制イデオロギーと不可分の関係の家族主義がその結合を阻害し、断種法
を不徹底なものとした」というが、そうとも簡単に断定できる道理はない。

 高木雅史は「優生論は『日本民族の優秀性』を確保する運動論として、『15年戦
争期』の日本ファシズムに大きな影響を与えた。人種改良論に基づく優生論的な
能力論は、時期的に見て『デモクラシー』の興隆の潮流として存在した日本のファ
シズム化を支える能力論であった」

 ともかく自然淘汰学説への盲信は「アイヌ民族は淘汰されて消えるのが自然の成
り行き」とい差別、排除政策、ハンセン病患者の完全隔離、断種に都合よく転化さ
れていく。

 1875年、樺太千島交換条約で日本領となたt千島の占守島の「千島アイヌ」97名
は。1884年、政府によって色丹島に強制移住させられた、人口は急減していった。
この現実に対し

 「千島アイヌ」を調査した人類学者の鳥居龍蔵は

 「適者生存、優勝劣敗の原則は、、汝の手より幸福を奪い、今や昔日の勇気已に
消滅し、其人口の如き、又減じ減じて、憐れにも僅か60有余名を残すのみ」

 と「哀惜」の年を表明したが、根底に「優勝劣敗、自然淘汰」を絶対視する考えに
凝り固まっているのは紛れもない事実である。

 このような社会的ダーウィニズムによる衰退正当化の考えがアイヌ民族全体へと
広がっていった。

  1898年12月、第13帝国議会は、第二次山県有朋内閣「北海道旧土人保護法案」
を提出、成立させた。この法案の趣旨説明にたった内務次官松平正直は

 「優勝劣敗の結果として、追追人種も減じ、生活の途、財産を保護する途もなく、
・・・・・・」と「優勝劣敗」の自然淘汰を根底にしている。



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