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zoom RSS 福田蘭童のエッセイにみる甘粕事件の真相

<<   作成日時 : 2018/05/06 21:21   >>

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今となって福田蘭童がどれほど知られているか、私はブログで福田蘭童の半自伝
というべき「福田蘭童の破天荒な人生」、また「坂口安吾の競輪事件を語る福田蘭童」
で多少述べた。型破りな才人というなら福田蘭童に勝る人物もザラにはいないだろう。
尺八に長じていた。その音楽的な才能もわかりやすい例は「笛吹童子」主題歌の作曲
、古くは映画もあったし私は昭和47,8年頃のテレビドラマ化された「笛吹童子」であるが、
あの画家、鬼才の青木繁の忘れ形見が福田蘭童なのである。並の才能ではない。

 その書いた著作と大上段に出なくてもさりげなく書いたエッセイに絶品が多いと思え
る。別に執筆が本職でも何でもないのだから、別に飾る必要もない。確かに、世に言わ
れる、「趣味に対する真剣さと、またもう一方の不真面目さの綾なす一種の諧謔の味わ
い」というものだろうか。

 『海千山千』(創元社、昭和28年2月)は表表紙が安井曾太郎。釣りや狩猟が趣味で
また自慢だった福田蘭童に似合ったもの。

 目次は「猪汁」、「鯰」、「狸」などなど魚や獣の名前が続いている。伊豆の湯河原在住
当時のエッセイである。志賀直哉、谷崎潤一郎、広津和郎などの作家文士ばかりでなく
、伊豆を訪れた小津安二郎、清水宏、野田高悟などの映画関係者も登場し、その交遊
の広さが伺える。登場はしての中身は単に食べる話が圧倒的。

 だが「鯰」には興味深い話が述べられている。

 関東大震災のとき、皇居のお堀に浮かんでいた鯰の話であるが、日比谷の陸軍省で
働いていた福田蘭童は震災当日、臨時の正門の受付を命じられた。蘭童の前に最初
に現れたのは、まず製薬会社の星一。トランクいっぱいのクレオソートを持参して置い
て帰った。次は右翼団体の黒龍会の男、懐中から取り出したブローニング銃を振りかざ
し、受付を突破、その次が小泉憲兵司令官。

 小泉憲兵司令官の後を追う新聞記者、それを見た憲兵がつぶやいた。

 「秘密にしてりゃ、教えやろう。大杉栄という社会主義者を、大手町で殺して井戸の中
に叩き込んでやった。やったのは甘粕だが、まあ小泉司令官の命令だからなぁ」

 ここにおいて甘粕事件が小泉憲兵司令官の命令によるものだったことが明らかにされ
ている。

 この部分は歴史的意義は大きいと言わざるを得ない。

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