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zoom RSS 坂口安吾「競輪事件」の証言、福田蘭童

<<   作成日時 : 2018/04/05 11:22   >>

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  坂口安吾が戦後、「自転車振興会」を相手どった「競輪事件」だがこれは安吾
にとって大きな負担、ダメージともなった、その顛末を知る福田蘭童氏の貴重な
証言

 
   安吾と僕は酒友であり、輪友でもあったので、よく電話をかけては誘って
伊東競輪だとか小田原競輪に出かけたものです。
 「競輪事件」の当日、安吾夫妻と僕が観戦していたのはゴールの真正面ですか
ら、その角度から1位と2位を見誤ることはなかったのです。他の観客も判定に対
し、「八百長だ!」と騒いでいる。今から考えても伊東競輪場に落ち度があったと
思います。
 当日夜、彼と飲みながらの話でも、やはりおかしい、八百長ではないかという
ことに話が落ち着きました。

 翌日私は再び競輪場に行ったので安吾邸にその前寄ったら妙なことに誰もい
ない。「おかしいな」と思いながら駅へ行って新聞を買うと、社会面トップに「坂口
安吾氏、伊東競輪場を告訴」と出ていたんです。

 私は彼が私に一言でも相談してくれなかったことに不満を覚えましたが、彼の
発言は正当性があるので『サンデー毎日』に寄稿して側面から攻撃しました。で
も彼が私を避けて逃げていたので、長い間連絡が取れませんでした。でもやっと
電話が通じたので話してみると、安吾は「君はオレを救ってくれたことをネタにし
てオレを恐喝しようとしているんじゃないか」と言うのです。僕は「ハハハッ、これ
は病気だな」と考えて、気の毒な安吾さんと思いました。

 安吾がなぜ僕を怖がったのか、前に二人でヤクザの親分を尋ねたとき、僕が
その世界の隠語をポンポン使ったり、親分と親しい口をきいたのを彼は見聞して
いるから、僕がヤクザと繋がっているのでは、と勘ぐったと思います。

 その事件の前後の出来事で、あるいは安吾が檀一雄さんの家に転がり込ん
でいた頃でしょうか、僕は安吾に「僕のように鉄砲をやれ、気分がスッキリして
いいぞ」と勧めた記憶があります。

 そうしたら三千代さんが「どうかおやめになって下さいませ、刀を持って人を
追い回すような人が本物の鉄砲を持ったら、どうなるか心配です。あの人は本
当に撃つ人なんです」と言われたので、結局、ハンター安吾は生まれなかった。


 
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