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zoom RSS 「二つの人生」(ウィリアム・トレヴァー)二つの中編小説の意味アイルランド文学らしいかもしれない

<<   作成日時 : 2018/03/28 15:53   >>

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2016年88歳でなくなったアイルランドの作家、ウィリアム・トレヴァーの中編小説
二つを合わせた作品、・・・・・この二つの作品を合わせたという意味はなにか?と
考えてしまう。すでに多くの人が感想を述べておられるけど、やや陰鬱な感が強い
。アイルランド文学らしいかもしれない。しかし、なにか息詰まりそうな、居場所が
徐々に狭まるような感じの雰囲気もそれが一人の女性を描ききるというコンセプト
にマッチはしている。

 ここで考えたいのは、この二つの別々の小説の並立、その「違い」を考えることが
テーマとなる。

 「ツルゲーネフを読む声」

 57歳の誕生日を前にした女性、「これこそ幸せ」とささやきながら、パンとベーコン、
卵を食べるシーンから始まる。メアリー・ルイーズという名前である。すでに30年以
上も精神病院で暮らしている。だが閉鎖されることになり、自宅に帰ることとなった
。・・・・・なぜ精神病院に30年以上も収容されることになったのか、その謎解きが
徐々に行われていく

  貧しい農場の家庭に生まれたメアリー・ルイーズはある時、エルマー・くウォー
リーという服地商店の跡取り息子に見初められた。彼はメアリーより14歳も年上
で顔も冴えない、クソ真面目な男だった。家族には反対されたがメアリーは彼の
求婚を受け入れた。なぜならメアリーはずっとその町の商店で働きたいと思って
いた、その中でくウォーリー服地商店は二番目の希望だったから。といってエルマ
ーにしてもメアリーは希望としては二番目だった。

 見初められて結婚したものの、ふたりとも恋愛経験はなし。あくまで一種の妥協
の産物だったこの結婚ははじめからギクシャクして意思の疎通もままならない。
結婚に失望し、落胆していた頃メアリーはかって淡い恋語心を抱いていたロバー
トに再会した。病気がちなロバートは彼女に読書の楽しさを教えて、彼女はロバー
トに自分のある秘密を打ち明けた。

 メアリーはロバートと彼が好きだったツルゲーネフの小説で初めて愛を知った。
現実の愛を手に入れた途端にその愛を失ったメアリーはもう空想の世界に生きる
こととなった。夫のいる現実は捨て去り、ツルゲーネフを読む声が聞こえる世界で
生きることを選んだ。そこから次々と常軌を逸脱の行動をとったメアリーは精神の
異常を疑われた。ついには精神病院に収容された。だが誰も侵せない幸福を感じ
る彼女であった。

 「ウンブリアのわたしの家」

 こちらは主人公が、結婚したこともないのに、「ミセス・デラハンティ」その前半生
は波乱に富んでいた。イタリアのウンブリア地方にある瀟洒な屋敷を買い取った。
ホテルのオーナーの座にも収まった。観光客の相手をする傍らで多くのロマンス
小説を書いた。

 彼女は列車で爆弾テロに遭遇したことを思い出した。・・・・

 後半に進むに連れて語りては信頼っできなくなって、不穏、ホラーの雰囲気
さえ立ち込める。

 読む女のメアリー、書く女のデラハンティ、ある意味共通点がある。だが正反対で
ある。デラハンティにはめありーの満足感がない。何が原因か?

 だが、相変わらず救われない感じトレヴァーの作品である。」


 

 

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