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zoom RSS 広中平佑と小針あき宏、京都大理学部数学科同期生の友情

<<   作成日時 : 2017/03/14 20:05   >>

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 この二人の京都大学理学部数学科の同期生、共通の切り口?もちろん
数学だが、一つは「大学受験」である。小針は「大学への数学」や「数学
セミナー」などへの寄稿、また旺文社の「大学受験ラジオ講座」の講師を
、これは大学紛争華やかなりし頃、されておられた。京都のおなじみの
山城高校出身でそのざっくばらんな講義は大いに人気を集めていた。
「デバグ数学セミナー」などの本、これは数学セミナーへ連載したものの
ようだが、内容は型破りだ。(あき宏のあきの字はIMEでは出て来るが、
いざあっぷとなるとダメになる)パソコン全体の問題か。

 広中は小針と京大理学部数学科の同期生であることは申し述べたとおり
だが、・・・・。フィールズ賞受賞後、すっかり有名になり、日本でも各地で講
演をされていた。が、まあ、予備校でも講演があってあの加計学園のベース
ともなった予備校の「福山英数学館」でも講演されている。その遥か後になる
が駿台予備学校の名誉校長、だったけ。

 小針は大学受験ラジオ講座、数学を昭和43年度だったかな、やっておら
れました。いよいよ受験、臨戦本番の受験生に贈る言葉が各教科の講師
たちからその言葉が掲載されていた。

  
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 小針先生は

 「僕は就職する人にも、と思って講義をやってたんだ。大学受験なんか知
らないよ」

 全共闘運動にも理解があった小針先生、いつも言う言葉

 「数学ができるから頭がいい、という言い方が一番嫌いだ」

 小針先生は、でも、あまりにナイーブ過ぎた気がする。

 小針先生の著書に「確率・統計入門」というものが岩波書店から出ていた。
その前文に広中先生が寄稿されている。奈良女子大での小針先生の講義を
まとめたもの。

 アメリカから一時帰国し、小針先生と旧交を暖めた広中先生だったが、小
針先生が、疲れ果てた表情で駅に座り込む姿を見て、なにか不安を感じら
れたとか。小針先生がなくなったのはその後すぐだった・1971年、昭和46年
だった。早世だった。

 さて、広中平祐先生だが、「特異点の還元」という、まあ素人には想像もつ
かない問題を完全解決(1964年)1970年、フィールズ賞受賞の栄誉だった。

 フィールズ賞はノーベル賞に設定されていない数学では最高の賞とされ
ている。受賞資格は40歳未満、大器晩成ではダメなのである。39歳の広
中先生にすれば最後のチャンス「代数多様体の特異点の解消および解析
多様体の特異点の解消」の論文が受賞対象となった。小平邦彦氏の受賞
に続く日人二人目の快挙だった。

 広中先生は1931年、昭和6年、山口県の由宇町で生まれた。戦前は裕福
だったが戦後は零落の家庭で生活は楽でなかった。

 京都大学を卒業するとフルブライト奨学金を得て、単身、アメリカに。ハー
バード大学の大学院、だが「成果が出ないともう生活自体がままならなく
なる」と危機感でいっぱいであった。

 渡米後、しばらく、これといって実績を挙げられない。そこで味わった敗北
、広中先生が二年間取り組んで解決の目処もなかった問題を、若い数学者
が先んじて解決した。広中先生は完敗で挫折感に襲われた。その若い数学
者が解決に用いた定理は誰でも知っているありふれたものであったから。

 広中先生は「早く認められたいという焦りで視野が狭くなってしまっていた
。広い視野で見直してみることが必要だ」

 敗北感を転機として広中先生は心機一転、より広い視野で研究に努めた
。1964年、アメリカ。リサーチ・コーポレーション・プライズ受賞、これがきっか
毛(この時点で特異点の還元を相当部分解決していた)その後さらに研究に
励み、完全解決を導き、フィールズ賞受賞となった。

 1975年の文化勲章受章を機に京都大学教授もハーバード大教授と併任
。1996年には郷里の山口大学学長に就任。

 もう誰も語るものもない広中先生と小針先生の友情、学生時代、互いに
切磋琢磨して努力した間柄である。・・・・もうあの大学受験ラジオ講座から
半世紀近く経つが、今でも(私はまだ高校生でなかったが)あの小針先生の
語り口が懐かしく思い出されるのである。


   1987年、長男、浄のハーバード大卒業の時

 左からえり子、平佑、浄、和歌子


  
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